2021年11月2日
羽仁もと子の言葉をお届けします 11月
すべてのものはそれを利用することによってはじめて本当の価値(ねうち)の出るもので、
且つ利用する方法が巧みであればあるだけその価値(ねうち)を高くするものです。
例えば庫(くら)の中に立派な沢山の道具を持っていても、用いる機会がなかったら、
その道具はいたずらに庫の中をふさぐだけで、無いのにも劣るくらいのことです。
ひとり物品ばかりではなく金銭もまた同じことで、何ほど金があったといっても、
少しもそれを利用することをしなかったなら、その人の持っている金銭には何の価値もないでしょう。
「金銭に対する理想」 『思想しつつ生活しつつ 上』より
山茶花