2022年10月1日

天然の教訓 羽仁もと子著作集より 10月

粟の穂は重く垂れ、稲もはや色づくばかりになりました。

…きのうもきょうも同じであるとばかり、ながめ暮らしていた間に、

いつこのように楽しい秋が見舞い来たったのでしょう。

思えば夢のようです。
わが心の願いが、果たして天の意(こころ)にかない、

わが日々の業(わざ)がまたよき事であったなら、

一様な神の恩恵(めぐみ)は、また私たちの知らないうちに、

自分たちのする業の上に、注がれているでしょう。

思想しつつ生活しつつ上 ―天然の教訓ー