2023年1月31日
2月 羽仁もと子の言葉をお届けします
人間のもっとも大いなる幸福は、多くの人たちと共に一生懸命その団体をつくりつつ護られてその中に棲むことです。反対に人間のもっとも不幸なことは、たった一人ぼっちでいることです。一人で勝手なことができるのが、一番幸福だと思っている人もあるのですが、そうでないことは、それをしばらくやって見ればだれにでもわかります。自分一人では、自分の頭以上、身一つ以上のことは出来ません。ただ団体生活によって、私らは自分の頭のなかにまだないことも発見し、自分の考えを多くの人におよぼして、実に豊富に暮らすことができるものです。団体はどんな面倒をしても、お互いにそれをつくる価値があります。
『団体について考える』 羽仁もと子著作集「教育三十年」より